第7章 夢の中の人は。
コンコン
「ーーーー入れ。」
中へ入るとソファで書類を確認している家入の姿があった。
「あれ?硝子じゃん、まだ仕事してんの?」
「あぁ、さんの資料を読ませてもらった。
五条こそこんな時間に珍しいな?」
「悟。何か報告があって来たんだろ?」
「えぇ、まぁ。」
五条は家入の向かいのソファにドカッと腰を下ろすとふぅ、と短く息を吐き徐に口を開いた。
「が記憶の一部を思い出した。
あの日の事件はやはり呪霊の仕業で、彼女の中の別人格が祓っていた。」
「・・・今となっては何の証拠も証言出来る生存者もいないじゃないか。」
家入はそう話すと気怠げに髪を掻き上げた。
「いや、、いたんだ。あの日、傑が現場に来ていたらしい。」
五条の口から出た予想だにしなかった名前に、夜蛾と家入は言葉を失った。
「・・・・まじか。」
「傑が…?」
五条は頷き、天井を仰いだ。
「傑はその神社に棲みついていた呪霊を取り込むつもりだったらしい。」
「取り込む…?傑のやつ、呪霊を集めてるのか。」
「その事件が起きたのって今から8年前よね?
夏油が高専を出て行ってから各地で呪霊を集めてたとしたら、、、元の手持ちを含めたら相当の数なんじゃない?」
「だろうね。それに恐らく仲間、呪詛師も集めてる。
傑はを連れて行こうとしたみたいだしね。」
「・・何年も大人しくしていると思ったが陰では動いていたか。
仲間と呪霊を集め、、、
アイツは本気で非術師を皆殺しにするつもりなのか?」
夜蛾は頭を抱えた。
「先月、憂太と棘が行った任務先でも傑の残穢が残ってた。
・・・近いうち何か仕掛けてきそうな気がする。」
「…全く、夏油のやつ。」
「杞憂で終わるといいんだが、そうはいかないだろうな。」
3人の大人達のため息と共に、夜は更けていったーーーーーーー。