【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】
第22章 Dawn18.愛と誓い-決意-
――――――――――…
部屋は闇が侵食していた。
辺りは暗くて何も見えない。
どこを見渡しても黒黒黒。
光は閉ざされている。
うっすらと視界が許す限りで見渡しても、部屋は無機質で何もなかった。
全てが無。
手を伸ばし、懸命に何かを掴もうとするも、暗黒に触れるだけ。
鈴「お兄ちゃぁ…ん…っ」
リンは怖くて怖くて、また身体を小さくして縮こまる。
ジメジメした湿気と寒気のするこの場所で、コートも着ずに1人ぼっちですすり泣く。
鈴「みんな…っ」
身体を少し揺すぶるだけで、至る傷が鈍く痛んだ。
鈴「…会いたい…っ……。会いたいよ……っ…」
涙が次々と溢れてくる。
鈴「マダラさぁん…っ……」
また腕を伸ばしてみるが、虚空を掴むだけ――…
フワッ
鈴「!」
しかし、その手に誰かの手の感触と温かさが伝わってきた。
_