【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】
第20章 Dawn16.自尊と涙
すると、急に目の前から光が差し込み、思わず目をつむった。
泥「…ッ」
ゆっくり目を開けると、そこに飛び込んで来たものに、彼は目を奪われた。
先程の爆発で開いた大きな穴から差し込む、オレンジと黄色にきらめく黄金の陽光。
その光明は華やかだが、そこに派手さはない。
清楚で落ち着きがあり、優美で美麗だった。
左右にある大きな金剛像が光に反射して更に輝いている。
その中央には太陽の美しい輝きを背にしたイタチの姿。
背後から射す太陽の逆光は、深紅の写輪眼の妖艶な輝きを更に際立たせる。
泥(これは……芸術だ…)
デイダラでさえ、見たことのない美しさに見とれる。
しばらく見入っていると、巻き付いていた粘土のムカデがボトッと落ちた。
ふと我に返ったデイダラは舌打ちした。
泥(オイラが他人の能力に見入っちまうなんて…)
デイダラはうつむき、顔を右手で覆った。
泥(アレが芸術だと!?いいや、認めねぇ…。認めねーぞ!)
イタチが会った時と同じ無表情でいることにも、デイダラは腹が立っていた。
何をしても驚かない彼に――…
イタチは黄金の光を放ちながら静かに口を開いた。
鼬「お前の負けだ」
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