【NARUTO】Break&Peace ⑴【うちはオビト】
第16章 Dawn13.大罪と復讐
断末魔と血飛沫と共に倒れた忍。
雨の中でそれを背にしている一つの影が浮かんだ。
「リン」
鈴「……………?」
耳元で誰かの声がした。
優しくて聞き覚えのある声。
リンはゆっくり目を開ける――…
赤雲の漆黒の外套に、紺の髪、温かい手、両目は紅に染まった写輪眼――…
鈴「マダラさん…」
自分に優しく微笑みかける彼は紛れも無く"うちはマダラ"。
宙に浮いたのは、マダラがリンの身体を抱き上げ、守ったからだった。
斑「無事で良かった…」
マダラは安心したように息をはいた。
リンの身体が震えているのが自分の手を通じて伝わる。
鈴「私…死んでない…?」
リンの目には涙が浮かび、マダラのコートを弱々しく掴む。
斑「あぁ。ちゃんと生きてる」
マダラはリンが温かいのを肌で感じ、また優しく微笑む。
斑「俺が…お前を死なせるわけないだろう?」
リンの頬には大粒の涙がいくつも伝っていた。
鈴「マダラさん…っ……」
斑「リン…」
リンはマダラの首に抱きつき、小さく嗚咽を上げる。
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