第16章 Dawn１３.大罪と復讐

斑(…！)


何かに気付いたマダラは、前にある仕事用デスクのペン立てから急いで鉛筆を手に取った。

そして、芯が斜めになるように鉛筆を寝かせながらその部分を軽く擦っていく。

すると、消しゴムで消されたはずの小さな文字がやんわりと次々と浮かび上がる。

それはやがて一つの文章を作った。


斑｢……………｣


そこに書かれたリンの叫び。

今や文字だけとなってしまったリンの悲痛な思いは彼女自身によって消されていた。

しかし、浮かんだ文字はその本当の思いをマダラに必死に訴えかける。


斑(リン…)


読み終えたマダラは悔しさや後悔を握力に乗せ、手紙をクシャリと握りしめた………





―――…





斑(それがお前の本当の気持ちだったのか…。気付いてあげられなくて…すまない…)


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