第28章 Dawn２３.神と世界-理想郷-

｢今度はこっちだぜ、お嬢ちゃん｣


泣き叫ぶリンの背後には、刀を振り上げた忍の恐ろしい笑み。

その先はリンに向いていた。

忍の悪魔のような笑みはリンにあの記憶を呼び起こさせる。


真夜中、父と母を殺し、襲いかかってきた木ノ葉の忍のおぞましい笑みを――…


リンの呼吸が一瞬止まる。


鈴｢ハッ………ハァ…ハァ…｣


呼吸が速くなり、身体が震えて動かない。

"逃げろ"と頭ではわかっているのに身体が言うことを聞かない。

そんなリンに更に狂気の笑みを浮かべ、忍は刀を垂直に振り下ろした――…


｢これで終わりだ…｣














パシン



リンに刀が振り下ろされようとした刹那、何者かの手が忍の手首を強く握った。


｢これで終わりは貴様だ｣



ドガァアアアッ！！！



忍のみぞおちに重たい蹴りが一発入り、その身体が宙に浮いた。

そして、鉄柵を破り、そのまま重力に従い、屋上から地面に落下していった。


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