第27章 Dawn２２.神と世界-桃源郷-

痛｢これで準備も整った｣

小｢えぇ｣


雨隠れのいつもの塔にいるペインと小南は、これから九尾狩りに向かおうとしていた。


痛｢一度アジトへ戻る｣


ペインは低くそう言って先を歩き出すと、小南も彼の後ろに続いて歩く。

塔の中は相変わらず薄暗い。

そんな廊下を最初はスタスタ歩いていたペインだが、だんだん足が遅くなってきた。

小南が不思議に思った時、急にペインがピタリと立ち止まる。


小｢どうかしたの？｣


背中を向けたまま口を開かないペインに、小南は落ち着いた様子で尋ねた。


痛｢いや…｣


ペインは少しうつむき、拳を握りしめている。

心なしか声が震えていた。

ペインの異変に気付いた小南は彼の顔を覗き込もうと少し前に屈んだ。


痛｢こなｎ、うぉ！？｣


小南が前に屈んだ瞬間、ペインが勢いよく振り返り、互いにとっさにのけ反ってしまった。

やっと小南の方を向いたペインの顔は少しだけ顔が赤かった。


痛｢あ、いや……すまない…｣

小｢え、えぇ…｣


ペインはすぐに顔をそらし、目線を下に向けてしまった。

頬はまだ赤い。


_