第2章 二人暮らし
けたたましい目覚ましの音に目を覚ます。雑然としているけどどこか落ち着く倉庫に置かれた寝台から体を起こす。
一人暮らしのはずに居候をはじめたその日に何故か渡された可愛らしいパジャマの上に褞袍を着る。
双方にごちゃごちゃと置かれた荷物をよけながら適当に髪をとかしつつ台所に向かう。
朝焼けの光が今日も綺麗だ。
やかんと子鍋に水をくみ火にかけながらやっと配置を覚えてきた調味料入れから顆粒出汁と乾物をとりだし鍋に加える。
どこから電力を調達しているか分からない冷蔵庫から冷やご飯と卵をだし煮立ってきた鍋に加え、暫くかき混ぜまぜていれば
「・・・おはよー。朝ご飯の前に黄連湯作って貰える?」
「はーい。作るからとっととソコに寝ててちょうだい。またぶつかった途端にマーライオンとか嫌だから。」
「シェイシェイ。」
色男率が二割ほど下がったこの家の主が千鳥足でダイニング入ってくる。も途端にダイニングテーブルから椅子を引き出し並べて、その上に横たわった。
鍋の火を止め蓋をして蒸らし、食器棚から茶碗を取り出して調理台の上に置く。【黄連湯】と書かれた壷の中から適量をとりだし薬湯用の茶碗にいれて、やかんの熱湯を注ぐ。それを彼の側のテーブルの上に置いてから新たに私が設置した冷蔵庫上のタオル置き場から一枚手に取り冷凍庫の中のアイス○ンを掴んでくるむ。
何とも言えない表情で横たわる彼のおでこにアイス○ンを置いてから先ほど作った粥のような物を一人分だけ皿によそい匙を持ちながら両手を合わせる
「今日の朝ご飯もありあわせの乾物で作った雑炊です、落ち着いたらどうぞ。それじゃ、いただきまーす。」
酔っ払いはほおって置くに限る、アタシはやるだけやった。
…毎日こんな感じにアタシと彼、白澤は一つ屋根の下お互いに少しだけ助け合う暮らしをはじめだした。