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【鬼灯の冷徹】君という花【R15】

第3章 相互契約


石榴ちゃんがこの家に住みだして早10日。そろそろ本能が理性に勝ちそうな感じ。
ちょいちょい誘ってきてるのは分かる。昨日の夜はやっとほろ酔い程度まで持ちこめて(僕?もちろん泡立て麦茶だよ)上機嫌な彼女が頬にキスして来て、シメタと思って抱きしめればそのまま寝ちゃうし。酷くない?!せっかく山薬と楮実子用意したのにさ!
けどあのハッキリ物をいう性格だったら自分からオネダリとかすると思うんだよね。昨日だって「定期的に従業員さんのブラッシングするの?じゃあ、今後はアタシがやるね!」って言いながら笑顔でケア用ブラシ持って駈け出して行くし、今日も朝起きて開口一番「昨日ケアできなかった従業員の方々の所に行ってきます!」だし。仕方ないから一人でお店の整理整頓をしながら呟いた
「少女と淑女の良いとこどり、って感じだよね。」
「あら、理想の女性じゃない?それって。」
突然の声に驚いて顔をあげれば最近遊びに行っている妓楼の花形、妲己ちゃんが立っている。どうやら石榴ちゃんは彼女の存在に気付いていないか、それとも気づいていて無視してるかのどちらかだろう。
「! やぁ妲己ちゃん、お店に来てくれるなんて嬉しいなあ。」
「ええ、ちょっとこの辺りに寄ったから遊びに来たわ。だって最近会いに来てくれないんだもの。」
コーンと手で狐の形を取れば軽く体をしならせ僕の側に寄ってくる。今日も甘い香りがする。
…ちょうど良い、この際だからこちらから粉かけてみよう。
「そうだね、最近働いてばっかりだったから少しは息抜きしなきゃね。今から遊びに行きたいんだけど、一緒に歩いていこうよ。話したい事もたくさんあるし。」
手早く作業台の上を片付けて店仕舞いの準備をする。店内にいる従業員たちに今日やるべき作業を伝えて軽く体に付いた粉汚れを払う。
妲己ちゃんの腕を取り店内から出れば、まるで聞き耳を立てていたような位置に石榴ちゃんが立っていた。
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