第70章 結婚式後は……
「エマさん、まだ泣いてんの?」
立食パーティーの最中、参列者から離れ
一人グスグスと
ハンカチで涙を拭っていたエマに、
ジャンが声を掛けた。
「……ジャン。」
「主役がこんな隅に居ていいわけ?」
ジャンはポケットからハンカチを取り出すと、
既に涙で濡れ切った
エマの持っていたハンカチと
自分のハンカチを取り換える。
「だって、泣きながらお礼言うの、変でしょ?」
「……だからって一人でこそこそ泣くなよ。」
ジャンがエマの背中を優しく摩ると、
エマはジャンの胸に顔を伏せた。