第53章 花言葉
「……それでも、確信したのはあの時だな。」
「何をですか……?」
「片思いだとしても、
君をこれからいつまでも
愛し続けるだろうということを。」
エルヴィンはそう言いながら、
エマの肩を抱いた手の力を強めた。
だがすぐ大きくため息を吐くと、
「またこんな重い話をしてしまったな……
ただでさえ雨で湿気が多いのに、
ますますジメッとした空気にしてしまって
悪かったね。」
そう言ってエマの肩から手を離し、
「……すまない。
本当に、君にそんな顔をさせるつもりは
なかったんだ。」
と、涙を堪えるエマの頭を、
軽く自分の方へ引き寄せた。