第26章 涙の意味
エマは仕事を終えると
自分の部屋に戻り、今日の出来事を思い返す。
エルヴィンが女性を抱いている事実が、
なぜ自分にとって泣くほど辛かったのか。
しかも今は調査三日前だ。
エルヴィンが兵士と身体を合わせていることは
ここに来た時から知っていたし、
エルヴィンの恋人だった時も
認めていたことだった。
それなのに何故、あの状況で涙が出たのか。
ジャンの言う通り、
少し考えて分かるような
単純な気持ちではないような気がする。
だからといって、
こんな気持ちのままでいい訳がない。
リヴァイの恋人でありながら、
自分はエルヴィンのことを
「エマ、部屋にいるのか?」
エマの考えを遮るかのように、
ドアの向こうから声がした。
ゆっくりドアを開けると、
そこにはリヴァイが立っていた。