第22章 相変わらずの目撃者
その時、
絶頂を迎えたような女性の声が部屋に響き、
ジャンは再び部屋を見た。
『この声、もしかして……』
ジャンの頭に嫌な予感が過る。
女性はぐったりした様子で、
エルヴィンにもたれ掛っていた。
エルヴィンはその女性の乱れた服を整えると、
ジャンに手招きをする。
ジャンはゆっくり部屋の中に入り、
ドアを閉めた。
「だ、団長、…お、お疲れさまです……」
ジャンは何と声を掛けるべきか迷いながらも、
そう言って敬礼する。
部屋の中には、
特有の男女の匂いが充満していて
自分の下半身を気にしつつ、少し息を止めた。
「ジャン。
こんなところを見せてしまってすまない。
敬礼を降ろしなさい。」
そう言うエルヴィンの表情は、
少し憔悴していた。