第5章 小さな命
幸い、陣弥の命に別状はなかった。
だがさくらの方は意識不明の重体…。
「くそっっ!!!」
「なんでさくらが!!!」
「松田、落ち着け。無事に奥さんも目を覚ます。俺たちは現場に戻るがお前はそのまま病院にいて構わない。」
あたりめーだ。家族が俺の、爆処の俺がいる家族をねらったってーのに現場もどれとか言う方がどうかしてるぜ
「早く目を覚ましてくれ…さくらがいねぇと本気で何もやる気でねぇんだ…」
「松田」
ふと呼ばれた方を見ると諸伏が立っていた
「おう。」
「災難だったね…。まだ、さくらは目を覚まさないの?」
「ああ。…ところでどうしてここにいるんだ?」
「実は、陣弥が生まれる前に俺たちが捕まえたやついただろ?」
「さくらに投げ飛ばされた男か」
「そいつが吐いたんだ。俺はその前に投げられた男の共犯で主犯はまだどっかにいるってな。おかしいと思ったんだ。ほんとに腕が痛いならどうしてあのとき爆弾を仕掛けられたのが不思議で」
「確かに…電話越しでしか聞こえなかったが腕痛めて爆弾作らなくなった的なこと言ってたなそいつ」
「だから問い詰めたら吐いたってわけ。今日も爆弾が爆発するぞって」
「なるほどな…んで、俺んとこに電話しようとしたら既に向かってたというわけか」
「さすがだな。これ、さくらに渡しておいてくれ。仕事の話だから、松田は悪いが見ないでくれ」