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月の下で愛を囁く

第5章 記憶を無くした葵



俺が目を覚ますと白い天井が見えた。
自分の部屋ではない、独特のアルコールの臭いが鼻に付いた。

「葵!大丈夫か?」

と俺の目が覚めたのを気付いた彼が俺に声をかけてきた。

葵「……新。」
光「葵くん!良かった!心配したんだよ?」

と新の隣に座っている女の子も声をかけてきた。でも.....

葵「……。」

その女の子に見覚えがない.....

光「葵くん?どうしたの?」
葵「...新、その女の子...新の彼女?」

と俺が聞くと新と彼女は何故か顔を真っ赤にして

新・光「「違うよ(ぞ)‼︎」

と見事にハモってお互いに顔を見合わせて照れたように俯いてしまった。

葵「なぁんだ、新が彼女連れてきて俺に紹介しに来てくれたのかと思った。」
光「違うよ!新くんと葵くんとは幼馴染の光!月見山光よ!忘れちゃったの?葵くん!」
葵「…ごめん....月見山さん...何も分かんない....。」

と俺が言うと彼女は泣き出してしまった。

光「.....くっううう....酷いよ葵くん...
私だけ忘れちゃうなんて....。」
葵「……。」

どうしてだろう....。彼女の涙を見ると何故か胸が締め付けられる...
どうして?何で?理由が分からない...。
するとそこへ新が呼んでくれたのかお医者さんがやって来た。

「皐月くん...気分はどうだい?何処か痛いところはないかい?」

と聞かれて胸が締め付けられるように痛いです。というわけにもいかずに首を横に振った。
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