第6章 偽の彼女
「悟、リンと何かあったのかい?」
「別に、大した事じゃない」
「そうは見えないけど」
「俺が勝手にイラ付いてるだけ。あいつのせいじゃねェし」
「そうか、悟が自分の非を認めるなんて。リンは本当に凄いね」
「は?ぶっ飛ばされたい?」
プレゼント選びをしながら、何やら硝子と楽しそうに声を出して笑うリンを見つめる。
そんな俺に気がついたのか、リンは無邪気に目を細め笑うと俺に大きく手を振った。その瞬間、思わず柄にもなく微笑んでしまいそうになる自分の顔を引き締め、大きなため息を吐き出す。
「はぁ…」
「溜め息漏れているよ」
「出してんだよ」
「それは余計な事を言ったね」
嫌味ったらしく笑う傑は、何処か楽しげに俺に向かって笑顔を向けた。
「どうしたら良いか分かんねーんだけど」
「悟が相談してくるなんて、よっぽど切羽詰まっているんだね」
「分かってんなら黙って相談に乗れよ」
傑は少し考えるような素振りを見せた後、顎に手を置いて話し始めた。