第26章 恋人紹介
何だかこの子達を見ていると、昔の自分を思い出す。
高専にいた頃の自分を…
毎日を4人で過ごしていた…あの楽しかった日々を。
「それじゃあまず、憂太君には私の刀を1時間ノーストップで受けてもらうよ!やっぱり何よりも実践が1番なのは確かだから。後の3人は引き続き修練に励んでね!」
「1時間ノーストップ…」
憂太君は自分の刀を握りしめると、それを鞘から取り出す。
「攻撃が上手くなる為には、何よりも相手の技を受けるのが1番簡単で分かりやすい方法だよ。相手の動きを読めるようになれば、自然と攻撃も出来る様になるはずだからね。とにかく私の動きをよく見て、少したりとも目を離さないで、私の動きを全てを記憶するくらいただひたすらに集中してね」
「はいっ!!」
そのあと、私と憂太君は1時間休む事なく刀を振るい受け続けた。最後の方彼はもうヘトヘトになっていたけれど、よく頑張っていたと思う。
棘君と憂太君が任務に向かった後は、真希ちゃんとパンダ君とひたすら体術訓練をして、さすがの私も少し疲れた。
「あー、こんなに汗かいたの久しぶりだなぁ、なんか若い子の元気もらっちゃった」
高専内の石畳の階段を降りながら独り言を呟く。
自分が刀を握り始めた時の事を思い出し、何だか少し変な気持ちになる。今ではもう乱華が私の手元にあるのは当たり前で当然だからだ。
「それにしても、皆良い子だったな。悟はちゃんと良い先生やってるんだ」
私は生徒達とそんな生徒を見つめる悟を思い出して、ふふっと小さく笑った。