• テキストサイズ

【呪術廻戦】抱きしめてそばにいて

第11章 初夏の乾き



高専に入学して、三度目の夏が来た。



「いっくよー」


「私本気で投げるからね!」



夏の日差しが強いグランドで、傑は消しゴム、硝子はシャーペン、私がじょうぎを一斉に悟に向かって思い切り投げつける。



そしてそれらは、悟に触れる直前…硝子の投げたシャーペンと私の投げたじょうぎだけがピタリと止まり、傑の投げた消しゴムがコツンと悟の額へぶつかる。



「うん、いけるね」



落下していく文房具達を両手でパシっと取る悟はニヤリと笑った。




「げ、何今の」


「術式対象の自動選択か?」


「うわぁ、すご!」


「そ、正確に言うと術式対象は俺だけど」



一年前からよく悟が一人で色々練習してたのは知ってたけど。最近はそれが特に凄かったように思う。



「今までマニュアルでやってたのをオートマにした。呪力の強弱だけじゃなく、質量 速度 形状からも物体の危険度を選別できる。これなら最小限のリソースで無下限呪術をほぼ出しっぱにできる」



「出しっぱなしなんて脳が焼き切れるよ」



眉間に皺を寄せた硝子が強い口で言葉を放つ。



「自己補完の範疇で反転術式も回し続ける。いつでも新鮮な脳をお届けだ」



「ほわー、難しくて良く分かんないけどすごいね」



「まぁリンには難しいかもな。前からやってた掌印の省略は完璧、赫と蒼それぞれの複数同時発動もぼちぼち。あとの課題は領域と長距離の瞬間移動かな」



/ 483ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp