第10章 本当の出会い
長い間、万愛の近くにいたんだ。僕が見抜けないわけがない。千愛が僕を思う魂の形そのものも万愛にシンクロしてる……。
気になるのは、千愛があたかもあの世界でずっと生まれ育ってきたかのような人間関係や記憶がある点だ。
だがこれも羂索の仕業だろ。あいつならやりかねない。この僕を封印するくらい用意周到な奴だからな。いざって時の万愛対策を練っておいたんだろう。
僕の推察はこうだ。
羂索は1000年に渡る歴史のどこかで異次元を見つけて、そこに送り込む結界ルートを敷いておいた。
そして万愛が、僕を獄門疆から助け出そうとして交戦した際、羂索は準備していた結界術を用いて万愛を異次元に送り込んだ。