第5章 いかり 学生夢女
「おいでロナルドくん」
てて
「なんだよ、ドラルクさ··」
ひょい
とす
「ん?!」
「1度でいいから小さい君を抱き上げてみたかったんだよね」
「···ドラルクさん」
俺は嬉しくなった
ぎゅむ
「なんだなんだ小さいと甘えたがるんだな」
「今だけな」
俺は静かに泣いた。
✿✿✿
「おつかれ~」
「またね」
カタン
(さて帰りましょうか)
あの朝以降
萩野くんが私に問い詰める事は無くむしろロナルドさんと出会う前の萩野くんみたいだった
てくてく
(むしろ助かったのでは?皆にずっと嘘をつくのもキツかったし··)
だけど
あの時の萩野くんが言いかけた意味って···なんだろう
ゆらっ··ふわっ
「ん?甘い匂いす···る···っ」
ぐらっ
トサッ
「間一髪だったね、君の想い人の記憶は消しても君があの子を考えると想い人の記憶が蘇るからね」
「すぅ··」
「ごめんね、彩華くん」
❦ℯꫛᎴ❧