第12章 裏切り
でも、ホント、最低。
今日一日、口なんて聞いてやらない。
5時限目の休み時間。
『里奈〜』
『……』
『里奈?』
『……』
『どうしたの?』
『………っ』
ガタンッ
その場から離れる。
『ねー。里奈〜。』
『……』
『怒ってんの?』
『もう、いい加減にしてよ!ほっといて!』
『でも…』
美愛は悲しそう。
天然の美愛でも、気持ちはわかるのか。
『小山君との事だよね。里奈が怒ってんの。』
『ぇ…?』
『今日、小山君に告った。』
ーえ。ー
ー余計に最低。ー
ー予想はしてたけど、本当だとは思わなかった。ー
『あっそ。勝手にすれば。』
『でも、フラれたよ。』
美愛の目には涙が溢れんばかりに溜まってる。
『フラれた。他に好きな人がいるからって。小山君にね。』