第10章 プレイスタイル
~実夢side~
「蓮二、おおよそのデータは取れたんだろう?」
「あぁ」
部室の窓から見えるテニスコート。
まーくんが丸井君とダブルスを組んでいるのがよく見える
「鈴は丸井君ばっかりだね」
「いや。そうでもないぞ」
「え?」
「ちゃんと、今の立海の部員の事も見ている。
その証拠にアイツの手元にはノートが握られているからな」
お父さんに言われて見てみると、確かに小さいノートを握っている鈴の姿
「気づかなかった」
「だろうな」
「じゃあ、始めようか」
「あぁ」
レギュラー陣を変えると言いだしたお父さんとせーちゃん
「部長は、仁王の息子のままでいいだろう。
アイツは育てば、仁王以上になるかもしれん」
「だろうね」
「副部長は、井上健」
「副部長を変えるかい?」
「あぁ。桜井ではその器にはならないだろう」
「なるほど」
「で、レギュラーだが、精市はどう見る」
「きっと、蓮二と同じなんだろう?」
「あぁ」
「どういう?」
「レギュラーが全員変わるというのは到底考えられないだろうな」
「特に、今の立海では」
そう言ったお父さんとせーちゃん