第2章 これからのお話し。
ジャンのあの行動の真意は?
誰も失いたくない・・それはリウも同じだ。
仲間が巨人に殺されていく場面を幾度も見てきた。
ジャンの言葉には説得力があった。
ジャンは大事な親友を失ったのだから・・。
リウはジャンとのキスを思い出しては赤面する。
仲間だからか?
それともジャンは・・。
「リウ・・」
「えっ?」
「食べてないですよ?調子悪いんですか?ちゃんと食べないと持ちませんよ」
サシャの声で、ハッとした。
心配しているフリをして食べ物を狙っている。
「本当に見境ないね、サシャは・・あまり食欲ないから」
「酷いですね、本当に心配してるんですよ」
リウの食器に手を伸ばした。
「リウあんた分かってるんでしょ?」
部屋に戻る時、アニに呼び止められた。
腕を組み、相変わらず無愛想だ。でも綺麗な顔立ちをしている。
「なっ・・何を? 」
「・・・どっちでもいいけど。好きでもない女にキスするほどバカじゃないよ、ジャンは・・」
アニ見てたのか。
どうしよう・・ジャンの顔が見れないよ。
明日、ジャンに話してみようか、確かにジャンは憧れだ。
強くて今何をすべきかを判断できる人。
ただそれだけだろうか?
ジャンはミカサが好きだったような。
悶々しながら朝を迎えた。
今日も訓練だ、ジャンに話せるだろうか?
ジャンに治してくれたお陰で、機動の調子がいい。
すぐ前にジャンがいる。
「ジャンっ!」
「何だ?リウか?また調子わるいのか?」
「いや・・そうじゃくなくて・・昨日の」
心臓の鼓動が音を立てている、震えてるのが分かる。
「あっ?お前バカか?そんぐらい察しろよ」
強く抱き寄せられた。
「それとも言わせたいのか?」
唇に触れた。
優しいキス。
「昨日も言ったろ?俺が守る。傍にいてくれればいい」
「好きでいいんだよね?」
「・・バカか?ああ悪いか?」
「ううん」
温かいジャンの胸。
この人の為に戦おう、私も貴方を守るよ。