第56章 最終決戦
(蟲柱様…!)
カ「師範!!」
カナヲは安堵の表情を浮かべた。
捨て身の作戦を知っていたからだ。
し「カナヲ!気を付けて!!」
伊「やべぇぜ、弐だ!飯係は廊下出てろ!!」
「はい!」
菫は慌てて戸の外へ引き返しながらちらりと後ろを振り返った。
繰り広げられていた戦いはその場の誰もが経験した事のない激しいものであった。
笑みを消した童磨は口を薄く開き、眉を顰めながら実弥と義勇の猛攻に応えている。
そこにイレギュラーの炭治郎が日の呼吸の技を放つ度に童磨の動きは乱れていった。
童(堕姫ちゃんの首を斬った子か…。小さな傷がまだ治らない。あれをまともに食らえば厄介だな。)
そうして炭治郎に気を取られていると、激しい怒気を漏らす実弥が首目掛けて斬り掛かる。
童「おっと!でも結局は君が一番厄介なんだよね。人間なのにそこまで強くなるなんて相当な鍛錬をしたんだろう?」
実「……………。」
実弥は童磨と言葉を交わさなかった。
実弥の過剰な反応を見た童磨がカナエの死に方を語った為に、怒りでどうにかなりそうだったからだ。
義勇のサポートを受けながら、何撃も何撃も、鋭い攻撃を与えて童磨を押していく。