第55章 柱稽古
杏「うむ!確かに美味いな!!何を入れたんだ!!」
隊士達は『よくぞ聞いてくれた!』という顔をする。
「水と塩、檸檬の絞り汁に砂糖で御座います。」
それを聞くと喉が渇いていた隊士達はがぶがぶと飲んでいった。
「…………。」
菫は驚いた顔をしながら首を傾げる。
そんな一連の流れを見ていた杏寿郎はこっそりと微笑ましそうに目を細めたのだった。
(食材を買い足しておいた方が良さそうだわ。)
菫は沢山の湯呑みを片付けながらそう思うと、再び街へ出掛ける為に着物に着替えた。
「炎柱様。買い物へ行って参ります。先程の飲み物は約五回分の量を作って冷蔵庫に入れておきましたが、」
菫が庭の入り口からそう話し始めると、休憩中であった隊士が数人腰を上げた。