万華鏡の姫君1章 〜特級呪術師&最強柱〜【鬼滅】【呪術】
第5章 5章 砕けた硝子 …新たな芽吹き
『わ、私だけを狙えば済むのに、どうして家族にまで手を出したの?』
震える声で問う。
【サッキイッタ キミトボクノジャマヲスルカラ ソレニキミガカナシムカオガ サイコウニスキナンダ】
気味の悪い笑みを浮かべる。
『家族は何にも知らないのに邪魔出きるわけない。そんな理由で家族を傷つけたなんて許さない!』
思わず顔が歪む。
【ソウソウ ソンナカオモスキダナ アノノロイノオウガ アイシタオンナヲクルシマセテイル イヒヒヒヒ】
【ソシテキミヲタベルコトデ ボクガノロイノチョウテンニタツンダ キミノメヲタベレバ ボクハムテキナレル ウハハハハ】
不快な笑い声をあげながら楽しそうに語る。
悲しむ顔が好き。呪いの王が愛した。呪いの頂点に立つ。
さっきから繰り返される言葉は人間の絢蘭にとって訳の分からないものだ。
たださっきまであった怯えの感情が、一気に怒りへと変わる。
『…るな。』
【ナンダイ】
『…ざけるな。』
【!?】
怒りが積み上げる度に絢蘭の周りの空気の流れが変わっていく。
呪霊が気づいた時にはもう遅かった。
『ふざけるなー!!』ビリビリ
絢蘭の怒りが爆発した瞬間覇王色の覇気が呪霊の身動きを封じる。
【ナンダ コノヒカリハ】
絢蘭を囲うように光と凄まじいエネルギーが集まる。
そして絢蘭の口から絢蘭と別人の声が重なる。
まるで何かが乗り移ったように
”今すぐに消え去りなさい”
"術式順転 蒼"
そう絢蘭の姿をした何者かが呪霊に対し腕を差し出し呟いた瞬間
【ウギャアアアアア】
呪霊本体と台所にいた分身、更に禍々しい空気を蒼い光が吸収し一瞬にして消え去った。
終わった瞬間絢蘭は力が抜け気を失ってしまった。
そこにまた光が輝きだし
"今回は少し危険だったので力を貸しましたが、次からは大丈夫でしょう。"
"あなたは優しすぎるので不安でしたが、怒りの感情があり安心しました。"
"よく頑張りましたね。今度は夢の中でお会いしましょう。"
その声は夢に何回か出てきた"万華鏡の姫君"のものであった。