第39章 未来
side.五条悟
季節は巡って。
僕たちは色々な思い出を残した。
山梨に桃狩りに行ったり。
タイの山奥に天の川を見に行ったり。
蓮も大きくなって小学校に入学した。
そして有言実行の名前は、保育園を開設する。
そうこうしている間に心も小学校に入学しちゃってさ。
モテモテになって、悪い虫がつくなんじゃないかって。
心配でちょこちょこ見に行ってたら、不審者ー!って通報されたこともあった。
その時の名前の僕を見る目は、一生忘れられない。
トラウマとなった。
それから更に年月が過ぎて、蓮が成人した。
心はモデルになっちゃって。
パパは毎日、愛娘の写真にキスをしている。
そこをまた名前に目撃されて、またトラウマが増えた。
そして僕たちは真鶴に念願だった、海の見えるマイホームを建てる。
名前の膝の上で微睡む。
「ねえ?名前」
「うん?」
「僕の夢。叶えてくれてありがとう」
「私の夢だって叶えてくれたじゃん」
「そうだけど」
名前は僕に口付けをした。
「幸せだね」
「そうだね」
これからも僕と君の人生は続いていく。
「これからどうしようか?」
「んー。また夢見つけようか。今度は悟さんと一緒に何かするの」
「いいね」
「でしょ?」
人間の生涯は儚いほど短い。
君に出会えた奇跡に感謝して。
僕らに残された時間を精一杯生きて。
そして…
「また来世で一緒になろう」
Fin.