第3章 狂愛*
「はぁっ…もしかして、挿れただけでイッたの?」
「はぁっ…うんっ…はぁっ…だから、ちょっと待って?」
「もしかして初イキ?」
私は快感に耐えながらコクコクと頷く。
「ねえ?聞かせて?」
「何を?」
「答えっ…聞かせて?」
悟さんが時折見せる、悲しげな表情。
その意味を知りたかった。
「…そうだね…」
そんな切ない目をしないで。
私まで苦しくなっちゃうよ。
「君はさ。昔、水の精霊に近いものだったんだ」
「…私が?」
「うん。君はこの海が大好きだったよ」
確かに今でも海が好き。
水の近くに住んでないと息苦しく感じる。
「…最後は…僕が消したんだ。君を愛していたから」
「…そっか…」
「僕のこの目、六眼って言ってね。数百年に1度しか転生できないんだ。だから君と過ごしたのは江戸時代なんだよ」
「そんなに前なの?」
「うん」
私はその瞳を覚えてる。
こうなる事を望んだのも、薄ら記憶にある。
恨みなんかしない。
人として生まれてこれて、何不自由なく育てて貰えた。
それにこんなにも想われて、私はすごく幸せだと思う。