第15章 青の日々 (及川徹)

『えっほんとですか！』

「うん、いつでもいいよ。いつがいいかな？」

『私は結構いつでも暇なので合わせますよ』

ちょっとちょっと…！？デートの約束ですか！？俺だってまだした事ないのに…ちゃんとデート！

「じゃあ明日でいいかな？」

『もちろんで 「ちょーーっと待ったぁあ！！」

『…っ及川！？』

「ぇと…男バレの1年生…？がなんでここに…？」

『先輩及川のこと知ってるんですか？』

「バレー部と合同で体育館使うこともあるからなんとなくは。それにいつも黄色い声援浴びてるし目立ってるからさ。」

黄色い声援浴びてんのはそっちだろうがああ！選びたい放題のくせになんっでちゃんに惚れてんのさ！いやまあ分かるけど…！好きにならない方がおかしいまであるけど…！

『すみませんすぐ帰らせるので…及川こっちきて』

「俺帰んないよ…！？やだやだちゃんと一緒に帰りたい！」

「及川くん…は彼女のことが好き、なの？」

俺のシャツを掴んで歩き出す華奢な手首を優しく引き寄せると よろけた彼女がトン、と俺の胸にぶつかって不思議そうに見上げている。

「好きですよ。」

『ちょっと及川ほんとに…っ』

「今更知らなかったなんて言わせないし。俺何回も伝えてるもん。」

「そっか…。確か及川くんはちゃんと同じクラスだったよね。」

「はい」

「こんなカッコいい子が毎日そばに居たらそりゃあ俺はフラれちゃうよね…でももう少し好きでいてもいいかな…ごめんね。」

『先輩…』

え、今なんて…フラ、え、フラれてんの！？

「じゃあ俺行くね。あ、キーホルダーは明日持ってくるから休み時間にちゃんの教室行くね！」

『はい、待ってます』

キーホルダー…？何の話？
あれ、俺勘違った？これヤバイ？

『及川徹くーん？』

「…はい」

『何してくれちゃってるのかなあ。先輩困ってたよね。何で途中で入ってきちゃうのかな？』

わ…ヤバい怒ってる助けて岩ちゃん！！！