第13章 お気に入り(松野千冬)
力の抜けているさんを抱えて身体を優しくタオルで拭く。まだ熱を持った腕が俺の首に巻きついてくいっと引き寄せられた。
『力入らない…ベッド連れてって…』
「任せてください」
スウェットを着させてから横抱きにしてゆっくりとベッドへ運ぶ。
『ありがと千冬くん』
「いや、俺のせいなんで全然っす」
『意外と筋肉あってびっくりした』
そう言って俺の胸元に触れる。
「俺だって男っすから」
『わかってるよ?でもほら千冬くんのお顔は可愛いからねぇ。』
「…もっかい襲われたいんすか?」
『…っむ、むりです』
「可愛いのはさんでしょ。あんな可愛い声俺の前だけにしてくださいね。」
『千冬くんだけに決まってるでしょ。』
ベッド沈んだ彼女が微笑んで引き寄せた俺の頬にキスをする。あぁ…また勃っちまいそう。今日はもうさんに無理させないって決めたんだけどな。
『…ちょっと千冬くん?』
引き寄せられるまま彼女の太ももに少し反応し始めた自身が触れた。すぐに違和感を感じたようで驚いたように俺の名前を呼ぶ。
「…すんません、まじ無視してください」
『もう…ほら寝るよ。ぎゅーして寝よ?』
そのまま倒れ込むようにしてさんと抱きしめ合う。お互いから同じシャンプーの香りがして、そんなの初めてじゃないはずなのに意識する度ドクドクと鼓動が早くなっていく。
『ふふ…っ』
「なんで笑ってるんすか」
『千冬くんの心臓の音が早いなーって』
「…っ仕方ないでしょ!」
『かぁわい。ドキドキしてくれて嬉しいよ?』
「そういうさんはどうなんすかっ」
対抗して彼女の胸に手を当てるとふにっと柔らかい感触が伝わる。
「…っあ、ちがっごめ、んなさい…ッ」
『えっち』
あ、だめだ。勃つ…。
「ごめんさんちょっと…手貸してください。」
『手?』
差し出された手を握ってあっという間に勃ちあがったソコへと導く。さんの手が触れてると思うだけで全然イける…やばい。
『ちょっとなんで大きくしてるの…っ』
「わかんない…さんが隣にいるだけで反応しちまうのかも。」
多分きっとまじでそう。