第13章 お気に入り(松野千冬)
ワレメに指を宛てるとぬぷりと飲み込まれた。
あつい…すげえ濡れてる。
この中に挿れたらどんなに気持ちいだろう。
『んん…ちふゆくん…っ』
「さんの中挿れたい…」
『え…待って待って…?』
「やだ…待てない…一緒に気持ちくなりましょ?」
指で慣らすとかそんな工程は俺の頭の中には一切なくて、さんと繋がりたいってただそれだけ。だって夢の中だし。
『待って…ってば…っ』
「さん…好きです」
『…んっん、』
唇、首筋、胸、お腹、柔らかい肌に口付けて小さな痕を付けていく。真っ白な肌に紅がよく映える。
ぬるぬると熱いワレメに自身を添わせて前後に動けばこれだけで飛びそうなほどに気持ちいい。
「ああ…っ素股やっばい…す」
『ぃ、あ…っ千冬くん…ッ』
「挿れたい…っ」
誘われるまま先端をぬぷぬぷと熱の中に押し進める。
『待って…待って千冬くん!!』
頭にまで響くような彼女の声が意識を現実へと引き戻す。夢が…終わっちゃう。
『大丈夫?』
「…っえ」
え、あれ…夢…じゃない、のか?
ガバリと起き上がった彼女の上に俺は跨っていて、服は酷く乱れているし…それに白濁した液体が彼女を汚している。
「え…あれ、さん俺…っ待って…」
『えっと…大丈夫?』
「俺なんかよりさんの方が…俺…夢かと思ってて…それで、えっと…本当にすんません…」
『ビックリしたけど最後まではしてないし気にしないで…?それより大丈夫?』
まじでやっちまった…全部…全部夢なんかじゃなかった。俺が俺の意思で現実の彼女に触れてたんだ。こんなん嫌われたっておかしくねえ…。
「とりあえず風呂…行きましょう。髪の毛…綺麗なのにごめんなさい…俺のが…っ」
『ほんとに気にしないで?それに最初に手を出したのは私だし!』
「ぇあ…あれも現実…」
苦しそうなのは俺の腹じゃなくて……なるほど。
『でもまあとりあえずお風呂行こうかな。千冬くんも入る?』
「え、一緒にすか…?」
『もうお互い脱いでるし一緒に行こうよ』
「あ、はい」
まだぼーっとする頭。
さんに腕を引かれるまま俺はバスルームへ。