第35章 番外編
佐久早「・・・お前ら早くシャワー浴びろよ。」
マスク越しのこもった声で呟き、3人を見下ろした。
木兎「オミオミ!ちょっと聞いてよ!ツムツムがともみちゃんにプロポーズすんだって‼︎」
佐久早の眉がピクリと動いた事を侑は見逃さなかった。
侑「臣くん、そう言うワケやからもうともみちゃんに手出さんといてな?」
挑発的な目を向ける侑に佐久早はフッと鼻で笑った。
佐久早「プロポーズって。
そんな浮ついてて大丈夫か?
残り2試合、1回でも負けたらファイナル行けねーんだぞ?」
侑「そんなん分かっとるし!残り2試合全部勝ってファイナル進出決定したらそこでプロポーズすんねん!」
何の不安も、迷いもないような目で見上げてくる侑を佐久早は少し羨ましく思った。
けどそれは決して表には出さないが…。
佐久早「・・・相変わらず能天気で羨ましいな。じゃ、俺は帰るから。」
木兎「えっ?オミオミは作戦参加しないの?」
佐久早は肩越しに振り向き眉を顰めた。
佐久早「・・・ほんとに全部勝ったら協力してやる。」
そう言い残すと足早にロッカールームを去って行った。
侑「ハハッ、臣君も素直やないな〜。
でもこれで当日、臣君にも協力してもらえるワケやし、ホンマ楽しみになってきたわ〜!」
日向「ですねっ‼︎てかアレ?俺は何をすれば良いんですっけ?」
首を傾ける日向の肩を侑はポンッと叩いた。
侑「ともみちゃんと一緒に住んでる幼馴染君に連絡を取って薬指のサイズを聞き出すんや。ええか?これは翔陽君にしか出来ないシークレットミッションやで?」
日向「し、シークレット、ミッション…⁉︎」
木兎「日向だけずり〜〜‼︎俺もそう言うのが良かったっ‼︎」
すると今度は木兎の肩をポンッと叩いた。
侑「観客の視線を集めるなんてスター性のある木っ君にしか頼めへん事やで?
木っ君あっての作戦なんやから当日、頼むで?」
うまく手の平で転がされてるとは知らず、2人は目をキラキラと輝かせ頬を紅潮させていた。
これで作戦は完璧や!と侑は満足気に笑った。
まさか本番でジャカ助の大きな手に苦戦するとは知らずに…。
fin…。