第32章 侑end
ドクン。
心臓が大きく音を立てた。
侑君、まだ持っててくれたの…?
佐久早「A.M…?このイニシャルって…」
「・・っそれは、、」
レザー部分の刻印に気づいた佐久早選手の視線が私に向けられ、思わず口籠もってしまう。
木兎「えっ?なに?なに?どうしたの?」
妙な空気になり、木兎さんだけが状況を理解出来ておらず私と佐久早選手の顔を交互に見てきた。
そんな中、口を開いたのは日向さんだった。
日向「あのー、、前に侑さんから原さんの事聞かれた事があったんすけど、、
もしかして2人は知り合い…とか?」
3人に囲まれてどう答えて良いか分からず視線を泳がせていると、佐久早選手がキーリングを私の手に乗せてくれた。
佐久早「・・返す。じゃ、俺は戻るから。」
佐久早選手と一瞬目が合ったけど、すぐに逸らされしまった。
「あ、ありがとうございます…!」
肩越しに振り向き軽く会釈をすると佐久早選手は部屋を出て行った。