第22章 迷い。
そして夏休みも終盤、予定していた日より少し伸びたがかよこさんが帰国した。
「ただいま〜!みんな会いたかったよー!」
2週間ぶりのかよこさんは思ったより元気そうに振る舞っていたけど、時差ボケと長旅の疲れなのか、目の下には隈が出来、笑顔もどことなく無理して作っているように見えた。
その日の夜、かよこさんがみんなをリビングに集めた。
全員が揃った所でかよこさんが口を開く。
かよこ「今回はみんなに心配を掛けてごめん!インターハイとかコンクールがある大事な時期だったのに、何もしてあげれなくて本当にごめんね。」
かよこさんが皆んなの顔を見回しながら頭を下げた。
侑「かよこさん、そんな頭下げんといてや?
俺らだって子供ちゃうし、自分らの事は自分らで出来るさかい!なっ?」
その言葉を聞いた周りはジトっとした視線を侑君に向けた。
治「それはちゃんと身の回りの事が出来てるヤツが言うセリフや。」
倫太郎「ともみにどんだけ手伝ってもらったんだよ。」
侑「なっ!何⁇俺かてちゃんとやってるわ!
ただここ最近はともみちゃんについ甘えて、」
あやか「それで、旦那さんの具合はどうなんですか?」
侑君の言葉に、私が止めるより早くあやかさんが上手く声を被せた。
うん…。と頷くが、かよこさんは視線を落として黙ってしまった。
その様子に私達は顔を見合わせる。
かよこ「・・みんなには申し訳ないんだけど…。この下宿を今年度いっぱいで閉めようと思ってる。」