第16章 番外編4
夕飯を食べ終わり、リビングには珍しく全員が揃っていた。
倫太郎君とあやかさんと治君の3人はソファで寛ぎながら、侑君はラグの上で横になりゲラゲラと笑いながらお笑い番組を観ている。
私とかよこさんはダイニングチェアに座り、今月の食費の計算をしていた。
2年生になったらアルバイトをしてお小遣いを貯めようかと思ってる、とかよこさんに相談したところ、
じゃあ4月から皆んなのお弁当を作ったら?と提案された。
お弁当を希望する人から毎月昼代を徴収し、そこから食材費を抜かし、残った額が私のお小遣いなる、というものだった。
この案を聞いた4人は、全員お弁当を希望してくれた。
かよこ「はい、これが今月分のバイト代ね。」
「ありがとうございます。」
茶色の封筒を大事に受け取る。
かよこ「何か使い道、考えてるの?」
「とりあえず貯めておきます。でも、近いうち東京にも遊びに行きたいなって思ってて。」
かよこ「東京に?」
「はい、友達に会いに。去年は時間も無かったし、今度はちゃんと予定を立てて行こうかなって。」
かよこ「あら〜いいじゃない!友達ってバレーやってるっていう子達でしょ?」
侑 治 倫太郎 「・・・・。」
3人はともみとかよこの会話に聞き耳を立てた。
あやかは明らかに3人の姿勢と顔付きが変わった事に気付き、吹き出しそうになる。
「そうです。1人は昔っからバレー大好きで、今年はチームの主将になったらしくて。
もう1人は私と趣味が似てて、東京で初めて出来た友達なんです。」
かよこ「へぇ、2人とも大事な友達なのね…。
で?本命はどっちなの?」
ゴトッ
倫太郎の携帯が床に落ちた。
倫太郎は何食わぬ顔をして携帯を拾うが、隣に座っていたあやかはついに我慢出来ず吹き出した。
侑と治はテレビを通り越して何か別のものを見ているかのように、ただじっと前を見ている。
「本命⁇違いますよ…。ただの幼馴染です。
でもバレーしてる姿はカッコ良いんです。
あ、、噂をすれば、クロから着信…ちょっと電話してきますね?」
私は携帯を手に自分の部屋へと戻った。