第12章 新たな季節。
穏やかな春の朝。
「ともみちゃんおはよ〜」
制服に着替えたあやかさんがリビングへ入って来た。
「おはよう。」
キッチンから返事をし、2人分のご飯と味噌汁をよそいテーブルへ運ぶ。
あやか「みんなもう朝練?朝から晩までよう頑張るなぁ。」
「フフッ、新しい主将が厳しい人みたいで、遅刻したら説教されるってご飯流し込んでた。」
あやか「しっかりご飯は食べてくんやな(笑)」
私達は「頂きます」と手を合わせ朝食を食べ始める。
ふとあやかさんが箸を止め、キッチンカウンターを指を差した。
あやか「誰か忘れて行ったんちゃうん?」
カウンターの端っこに弁当が入った保冷バッグが3つ置いてある。
「あれ?3つある…誰だろ?」
私とあやかさんのバッグはキャラクターものの為すぐにわかるが、男の子達は同じ黒のバッグで揃えた為、タグで名前を確認すると、、
「・・侑君だ。」
今月に入って何回目だろう…。
あやか「ハハッ、またぁ?侑君常習犯やな。ともみちゃんに持って来て欲しくてわざと忘れてるんちゃうん?」
「まさか。」