第11章 けじめ。
治君とは付き合えない、と謝る私に治君は
眉を下げて笑った。
「相変わらず決断が早いな。けど俺はともみちゃんの友達でもあるんやで?
せやからこれからもずっと側におるし、何があってもともみちゃんの味方やから。」
治君の優しい言葉に涙が込み上げてきた。
ありがとう。と返事をする私を治君は、海で抱きしめてくれたようにまた優しく抱きしめてくれた。
治「そうは言っても俺にとってはやっぱりともみちゃんは特別な人やからすぐには諦めきれへんわ。
ともみちゃんに彼氏が出来て、幸せそうな笑顔見るまでは無理かもな。」
「・・・治君。」
治君の胸から顔を上げると、治君はじっと私を見つめた。
治「・・んー。。前言撤回や。彼氏なんか出来た日にはソイツしばき倒してまうかも。」
本気なのか冗談なのかわからないセリフに私が固まっていると、抱きしめる腕に力が入り
ぎゅっと広い胸の中に収められる。
治「泣きたい時とか辛い時、1人で抱え込まんで俺んとこ来たらええよ。いつでもこうして抱きしめたるから。」
私は治君の胸の中で頷き、込み上げる涙を堪えてありがとうと伝えた。