第8章 それぞれの想い。
そして10月5日当日。
朝からケーキを焼き、昼過ぎから料理の仕込みを始め、なんとか予定時間内に作り終える事が出来た。
あやかさんがテーブルセッティングをし、全ての料理が並んだところでちょうどインターホンが鳴った。
あやか「あ、来たんちゃう?私、蓮と倫太郎呼んでくるわ。」
「お願いします。」
かよこさんが2人を出迎えてくれてる間に、私はエプロンを脱ぎ身だしなみを整える。
2人とも喜んでくれるといいな…。
玄関の方から賑やかな声が聞こえ、侑君と治君が入ってきた。
治君は私と目が合うと、
治「ともみちゃん、今日はありがとう!お誘いめっちゃ嬉しいわ。」
「私も一緒にお祝い出来て嬉しいです。それと、お誕生日おめでとうございます。」
笑顔で挨拶をしていると、治君の後ろから不機嫌な顔をした侑君が間に入ってきた。
侑「マテマテマテ。俺かて誕生日だわい!ともみちゃんの目にはサムしか映っとらんのかい!」
口を尖らせる侑君に、私はフフッと笑い向き直る。
「わかってますよ?侑君も誕生日おめでとうございます。」
治「何や見苦しいなツム。」
侑「ぁあ〜〜?お前らがデレデレしよるから突っ込んだだけや!」
早速ヒートアップしていく2人に、かよこさんは笑いながら仲裁に入った。
かよこ「ハイハイ!相変わらず仲が良いのねー⁇おっきな身体して中身はまだまだ子供なんだから。
それより!2人とも月刊バレーボール、見たわよ?凄いじゃない‼︎」
侑「あー!かよこさん、見てくれたん⁈今年注目の選手やって‼︎写真も大きく載ってたし凄ない⁈」
治「・・またアホみたいに自慢しとる。」
侑「アホは余計や!アホは‼︎」
かよこ「ほらほら!じゃれあいはそれ位にして、今日はあなた達のお祝いなんだから遠慮せず沢山食べて騒いでってね?」
侑 治「「おおきに〜‼︎」」
2人は同じ顔で子供のように笑った。