第2章 ホントノココロ
そもそも僕とキドが出会ったのはある孤児院だった。
最初は名字しか分からなかったのが、懐かしい。
名前を知ったのは姉ちゃんー楯山アヤノーに再びあった日だった。
姉ちゃんには母さんが死んだ日に公園で出会った。まさか新しい家族になるなんて思ってなかった。
キドの、いつも僕とセトに見せないような顔で自己紹介をしてたことが鮮明に思い出される。
それからは毎日が幸せでたまらなかった。秘密組織ごっこをしたり、朝早くから虫取りをしたり。
あの時はこの幸せがなくなるなんて考えてもいなかった。