第41章 告白
松田side
藍沢への聞き込みを終え、俺は病院の駐車場へ停めている佐藤の車へズンズンと向かった。
佐藤が後ろから、何度も松田くん!?と呼びかけているのに全部シカトして。
助手席にドカッと座って背もたれに背を預けると、運転席に座った佐藤がシートベルトをしながら俺を睨んだ。
「ほんっと、その態度!どうにかならないの!?」
「悪かったな。態度悪くてよ」
一緒に組んでるやつが、こんなに気分屋だとさぞ仕事もやりづらいだろう。
分かってる。分かってんだよ俺だって。
「…まあ、松田くんの態度の悪さは今に始まったことじゃないけど。
藍沢さんと、二人で何話してたの?」
「…別に」
「別にって!事件のことなら私に共有する義務はあるはずよ?」
そう言いながら、車のエンジンをかけてアクセルを踏んだ佐藤。
夕方の捜査会議で今日の聞き込みの報告と、他チームからの報告を聞いて事件の捜査を進めなければならず、一度本庁に戻る必要があった。
「…事件のことじゃねえよ。
藍沢にはアリバイがあるだろ」
「あなたの彼女と一緒にいたって言うアリバイね」
佐藤のその何気ない一言にすら、イラッとする俺はもう冷静さなんかどこかへ置いてきてしまったらしい。
「一緒にいたって言うなよ。
一緒に仕事してたんだろ。それ以上でもそれ以下でもねえ。」
「まあでも、彼女途中で寝ちゃったみたいだし、アリバイとしては少し弱いけどね。
いつ起きるかわからないとはいえ、例えば睡眠薬を入れて眠らせることはできたわけだし」
「んなことしてたら、俺があの医者をぶっ殺す」
「あくまで可能性の話よ…ちょっと冷静になりなさいよ」