第43章 The Gifts 4 Levi ※
「痛く、ないか…………?」
「――――ない………。」
ガクガクと揺さぶられながら、ナナの涙が止まらないことに動揺する。
「―――――なぜ、泣く……?」
「―――――幸せ――すぎて……っ………。」
ナナは俺の顔を引き寄せ、キスをしながら言葉を紡ぐ。
「すき、リヴァイさ……、すき、だいすき………っ………嬉しい……、しあわせ……。」
ナナの言葉は魔法のようだ。
俺の中に、特別な何かを蓄積していく。
恐れられて生きて来た中で、俺が誰かに“幸せ”を感じさせることができるなんて想像もしていなかった。
俺は神を信じない。
――――――だが、聖夜にこの腕の中で幸せだと泣くナナは堪らなく特別で、ナナこそが聖夜の贈り物なんじゃないかと、馬鹿げたことを思う。
「―――――あぁ、俺もたまらなく―――――幸せだ。」
これまで何度もナナを抱いて、何度も絶頂感を味わった。だがこの幸福感は、今までに感じた事のない新しい未知のものだ。
甘く、美しく、透き通っているのに、温かい。
まるでナナの歌声のようなその幸福感に酔いながら、俺たちの聖夜は更けていった。