第120章 一変
アニの拘束作戦を詰めて一時解散したあの後、幹部とミカサ・アルミンだけが残ってすぐにエルヴィン団長から告げられたのは、アニの拘束作戦と同時進行すべきことがあるという内容だった。
「――――アニの共謀者もまた104期の中にいる可能性が高い。アニを拘束するその時には手出しのできない遠方に隔離する。」
「……あの壁外調査で絞ったのか。」
リヴァイ兵士長が腕を組んだまま呟いた。
「ああそうだ。アルミン、詳しく話せるか。」
エルヴィン団長に促され、これまでの経緯と共謀者を絞り込む材料をアルミンが話していく。
「は、はい……!あの時、女型は右翼側から出現しました。エレンを連れ去るなら最短でと考えるはずです。そのため――――作戦企画紙にエレンの居場所を右翼側と記載したものを配布していた者の中にいる可能性が高い……。憲兵団のアニと調査兵団の共謀者が情報を密に共有するのに、もっとも怪しまれないのは同期であれば、話す機会が多くても不審に思われない。」
「エレン・ミカサ・アルミン・そしてジャンを除く104期生全員をウォール・ローゼ南区の施設に隔離、そこの見張りは精鋭を数名連れてミケに頼みたい。」
「承知した。――――特に注意すべき人物などはいるのか?」
「――――ナナ、君が身辺調査をかけた中で、情報がまだ出そろっていない104期生がいたはずだが。」