第114章 日々 ※
王都から戻った翌日、ハンジさんの兵器開発の進捗を伺うことと、資金の目途がついた旨を伝えに行くと、ハンジさんは『さすがナナだ!』と満面の笑みで私を褒めてくれた。
ハンジさんの今までの研究の成果が存分に発揮された拘束用の兵器はとても頑丈且つ操作性も優れていて、巨人化したエレンくらいの10mを越えるような巨体ですら、配置とタイミングによっては拘束出来るに違いないと確信できるものだった。
ただそれを実現するために技術的についていけるのかなどは、これから技巧班と綿密に開発研究の中で試作を重ねていくらしい。
更に翌日、エレンを匿う古城にも赴いた。
慣れない環境で、途端に異端者扱いされて――――エレンの心情がとても心配だったから。馬を繋いでいると、建物の中から会いたかったその人が姿を現した。
「―――ナナ。戻ったのか。」
「リヴァイ兵士長。はい、昨日戻りました。」
「そうか、ご苦労だった。」
「――――……聞かないんですか?」
「あ?」
「資金調達の成果。」
「………その表情を見りゃわかる。上手くやったんだろう。」
「!!」
言わなくてもお見通しだ。
私はどんなにご機嫌な顔をしていたのかと思うと、少し恥ずかしくなる。
「――――よくやった。褒めてやる。」
リヴァイ兵士長は腕を組んで不機嫌そうな様子のまま、それを口にした。
「はい!ですが……なんでそんなに凄むんですか……。もう少しにこやかに褒めて欲しいです。」
「………まさかとは思うが………てめぇ………。」
「自己犠牲なしで、ちゃんと交渉を頑張っただけです!!!なんなんですかあなたたちはもう、そろそろ私を信じてくださいよ!」
「…………。」