第11章 東京卍リベンジャーズ・三ツ谷隆(続編)
ここに所有印が刻まれている事を
レイナは知らない
彼女がオレ以外の男に目移りする心配は
一度もしたことがなかったが
職場などで手を出そうとしてくる奴は
これまでに結構いたみたいだった
匂わせに指輪を付けても、「彼氏がいる」と断っても
なかなか諦めない相手も何人かいて
苦労している様子のレイナに
オレももどかしい思いをしていた
自分が直接出ていけば
かえって彼女の迷惑になるだろう
そこで、印を付けることを思い付いた
普段はブラウスで隠れている部分
髪をアップにしてデスクワークをしている彼女を見下ろし
いやらしい男の目線で襟元を覗き込んだ時にだけ見える絶妙な場所に
紅い痕を刻みつけた
キスマの効果は絶大で
それ以来レイナは男達にしつこく言い寄られることは無くなったようだった
しばらく更新していなかった為に
消えかけてしまっているオレの印
そっと舌をあてると
レイナがピクリと肩を震わせた
「……」
噛み付いてしまいたい衝動を抑え
唇を押しつける
" …絶対に…誰にも渡さない… "
そんなことを考えながら
オレは彼女の肌に醜い痕を刻み付けた