第6章 魔法の授業
魔法薬学の授業は地下牢で行われた。そこは城の中の教室よりも寒くて、壁にずらりと並べられたガラス瓶の中に標本となった動物が浮いていなかったとしても、充分に気味が悪い場所だった。
ハリー、ミラ、ロンが教室に着くと、既に何人かのグリフィンドール生とスリザリン生がいた。その中に目立つプラチナブロンドの髪が見え、ミラは久しぶりにドラコを見た気がした。話しかけようか悩んだが、ハリーとロンの嫌そうな顔を見てそれはしなかった。
しばらくすると、スネイプ先生が教室にやってきた。スネイプ先生が出席をとると、すぐに嫌な先生だとわかった。ハリーの番になると、スネイプ先生は「ああ、さよう」と、静かに言った。
「ハリー・ポッター。我らが新しい…名士だな」
ドラコは仲間のクラッブやゴイルと冷やかし笑いをするのが聞こえた。
出席を取り終わると、スネイプ先生は生徒を見回した。
「このクラスでは、魔法薬調剤の微妙な科学と、厳密な芸術を学ぶ」
と、スネイプ先生が話しはじめると、生徒たち一言も聞き漏らすまいと真剣な顔でスネイプ先生を見ていた。
「この授業では、杖を振り回すような馬鹿げたことはほとんどない。そこで、幾人かは魔法ではないのではないかと思う者も居るだろう。フツフツと沸く大釜、ユラユラと立ち昇る湯気、人の血管の中を這いめぐる液体の繊細な力、心を惑わせ、感覚を狂わせる魔力。諸君がその見事さを真に理解するということは期待してはいない。私が教えるのは、名声を瓶詰めにし、栄光を醸造し、死にさえ蓋をする方法である。____ただし、私がこれまでに教えてきたウスノロたちより諸君がまだましであればの話だが」
教室は一層静かになった。
すると、スネイプ先生が突然、「ポッター!」と呼びました。ハリーに幾つかの魔法薬学の質問をするも、分からず二人を見てみたが、ミラもロンも分からず首を横に振った。
前の席に座っているハーマイオニーの手が素早く高々と上げられていたが、スネイプ先生はまるで見えないというように無視し続けた。ドラコ、クラッブ、そしてゴイルが身を捩って笑っているのを、ミラは呆れたように見た。