第2章 【第二講】第一講から遡ってる(略)番外編みたいなもんだから
「えー、邪魔が入ったが、改めて紹介する。□□○○だ」
「□□○○です。皆様、よろしくお願いします」
○○は一礼すると、教室中に笑顔を振りまいた。
その顔を見て、一人の男子がウホッ? と首を捻った。
(ふむ? どこかで見たことがあるような……)
その主はゴリラ、もとい近藤勲だ。
どこでだったか、思い出せない。最近のことではないはずだ。両手を拱き、考える。
近藤が少ない脳みそをフル稼働させて記憶をたどっている間にも、銀八は話を進めた。
「みんな転校生だと思っているだろうが、□□は正真正銘、一年時からの銀魂高校の生徒だ」
え? と、皆、疑問を思い浮かべる。
「実はなァ、□□は二年間入院しててな。一年生からやらせるのも可哀相なんで、Z組に入れることにした。んじゃ、□□、空いてる席に適当に座れ」
「御意」
右のこめかみに指を当て、○○は敬礼のポーズをとる。
「オイィィィ! ちょっと待てェェェ!!」
ここで再び、新八のツッコミが炸裂した!
誰もダメージは食らわなかった!
「どういうことですか、それ! なんで進級できてるんですか! 義務教育じゃないんですよ!」
声を荒げる新八。○○は両手で耳を塞いだ。
耳の穴をかっぽじり、銀八は呟いた。
「別にいいだろ。どうせこのクラスは十四歳からおっさんまでごちゃ混ぜなんだ。二年のブランクくらい、モウマンタイだ」
指にフッと息を吹きかけ、銀八は耳カスを飛ばす。
一番前に座るロン毛の男子に向けて。桂は一瞬、嫌な顔をして顔を背けた。
「それになァ、□□は入学試験はトップ合格だったから、学力の面も問題ねーよ。え? こいつら入試受けてんの? なんて野暮なツッコミはすんなよ」
銀八は読者に目を向けた。いや、読者なんて見えねーよ。
「え? 入――」
「お前がツッコむな」
真横で開かれた○○の口を、銀八は平手で塞いだ。
もがもがと、口を開こうとする○○。
その様を見て、桂が(可愛い……)と思ったり思わなかったりしたのは秘密だ。あ、バレた。