第174章 貴方のすべてが大好きで⦅宿儺ver⦆
愛おしい貴方は無愛想なようで居て、いつも色んな表情を見せてくれる。
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「? どうした、なな 」
黙って貴方を見つめれば、眉間に少し皺を寄せて小首を傾げる。
『何でもありません』
笑って答えれば、「ふん」と鼻を鳴らしてデコピンされた。
おでこを押さえながら貴方を見れば、ケヒッと意地悪く笑う貴方の顔。
☆ ☆ ☆
「無理をするなとあれ程言ってあったであろう」
はぁ、と ため息をついて綺麗な赤みかかった瞳が ジトっと 私を見る。
『…ごめんなさい』
布団の中から謝れば、何度目か分からない ため息をついて優しく頭を撫でてくれた。
「俺に合わせる必要は無い。まずは自己管理をしっかりしろ」
水を持ってくる。と言って立ち上がろうとする貴方の袖口をとっさに きゅっ と掴んでいた。
『あ……、ごめんなさい』
パッと手を離せば、「どうした?」と あぐらをかき直す貴方。
『…………』
貴方は急かしもせず、私の言葉を待ってくれた。
『…行かないで。……心細い…』
小さく伝えると、貴方は驚いたように目を見開いてから「分かった」と優しい目をして答えてくれた。
☆ ☆ ☆
「なな 、俺を見ろ…」
何度体を重ねても、行為中 目を閉じてしまう私に貴方は少しだけ息を整えながら低い声で こちらを見ていた。
余裕の無さそうな その表情はどこか色っぽく感じる。
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