第155章 充電⦅五条ver⦆
今日も疲れた。
呪霊を祓うのは問題ない。余裕だ。
一番のストレスは上層部。
ホント面倒くさい。
何かあればすぐ僕を呼びつけて派遣するくせに自分たちの考えは変えない。頭の硬い老人たちだ。
「はぁ…」
五条は ばふっ とベッドへ倒れ込んだ。
「…… なな に逢いたいなぁ」
お互い任務のある身。
万年人手不足の術師にとって朝起きて夜寝るなんて規則正しいライフサイクルを送るのは難しく、不規則な生活だ。
こちらが休みでも相手が任務なんて事もよくある。
五条と なな が付き合っているのを知っているのは東京校を拠点に活動している関係者。
五条は その関係者たちに自分と なな の関係を上層部に伝えないように圧力をかけている。
嫌がらせ大好きな上層部だ。
今でさえ ろくに逢えないのに、五条と なな の事を知れば今以上に逢えなくなるのは目に見えている。
なな に逢えなくてイライラして つい伊地知に八つ当たりしている事も自覚している。
「………今度、伊地知 脅して なな と同じ日に休暇取ろ」
伊地知を困らせてる自覚はあるけど、伊地知の事は正直どうでもいい。
なな に逢わせないならボイコットしてやる。
☆ ☆ ☆
数日後、伊地知を脅した甲斐があってやっと なな と逢えた五条は るんるん だ。
「なな ♪」
ぎゅう、と抱き締めて なな パワー充電中。
安心する。
すっぽり自分の腕の中に収まる なな 。ぎゅっと抱き締め返してくれる なな の全てが愛おしい。