第139章 飛行機雲⦅虎杖悠仁⦆
青空に描かれた1本の飛行機雲。
空を見上げていた なな に虎杖が声をかけた。
「どうしたん?」
『ん~?
空っておっきいよね』
なな の言葉に虎杖は「そうだな」と空を見て答えた。
『私、色んな空を見るのが好き。
雲が流れていく様子や、雨が降る前の薄暗い感じだったり、今みたいに飛行機雲ができたり』
空を見上げていた虎杖は 自分と同じように空を見上げている なな の横顔を見た。
『夕暮れの空は どこか寂しげだったり。
悠仁の色んな表情も好きだよ♪』
自分を見て ニコッ と笑う なな に虎杖は頬を染めた。
「俺は、… なな が まるで空みたいだって思う」
『?』
「いつも澄んだような優しい笑顔で俺の話聞いてくれるし、表情が冴えない時は何かあったって すぐ分かる。
おっきな空みたいに寛大なのに、しっかりとした信念のようなものがある。
たまに泣かせちゃうこともあるけど、俺は なな の泣き顔も笑った顔も全部好きだ」
なな に話ながら空を見上げながら虎杖は自分の素直な想いを伝えた。
それは あまりにもストレートな愛情表現で。
なな は赤くした顔で下を向いた。
『…悠仁には敵わないな//』
「??
なんか言った??」
***おわり***