第138章 写真⦅???⦆
カシャッ
『もぅ、また撮ったの?』
少し呆れたような声で なな は こちらを見た。
カメラにはまったのは少し前。
CMで 色んな写真が流れていた。
笑っている人の顔。
悔しがっている人の顔。
兄妹喧嘩でもしたのか怒っている子ども。
桜の花びらが舞う中で両手を上げている後ろ姿。
モノクロだったり、カラーだったり。
その一瞬一瞬を思い出として残せる写真に惹かれ、いつの間にか気がつけば なな にカメラを向けていた。
なな の笑った顔。
怒った顔。泣いてる顔。寝顔。
どの表情も写真に納め、記憶とともに記録する。
なな だけ映っていれば自分には色鮮やかに映る。
『…私だけの写真じゃなくて一緒に映って?』
なな は少し恥ずかしそうに言い、なな はカメラを持って こちらを映した。
『2人の思い出、増やそ?』
ニッと笑う なな につられ、自然と口角が上がっていた。
1つのフレームに2人の顔を並べ、自撮りする。
少し照れくさいが また1つ なな との思い出が増えていく幸せに満たされた。
***おわり***